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ワンダーランド2012採点寸評
GK 松本拓也 7.5 昨季の失敗を生かし、ネタで真っ向勝負が奏功。「俺が俺が」の果敢な飛び出しで、低調だったチームを何度も救った。

DF 亀川諒史 8.0 声ちっちゃ。試合後のインタビューでの「こんな見世物したことないので」には笑った。見世物って言っちゃダメ、真理だけど。あと、消え入りそうな声での「趣味はゲーム」。サッカーさえしていなければ立派なニートになれたはず。大器の予感。

DF 福田健人 4.0 試合後のインタビューで「今日の出来に満足している」と世迷言。はあ? ワンダーランドは、少女時代の曲に合わせて踊っただけ、おゆうぎ会以下のアリバイ守備が通じるステージではない。持ち前の“空気の読めないバカ”というスペシャリティも、このままでは宝の持ち腐れ。現状に満足する奴に明日はなし。

DF 岩上祐三 5.5 悪いのはすべて福田。ついていく先輩は選ぶべき。

DF 遠藤航 5.0 マルモリダンスで女子連中から「カワイ~❤」の声・声・声。モテちゃだめ。

DF 三原向平 ― けっこうしゃべってたはず、ボールタッチは多かったはずなのだが、なぜか全然記憶にない。消える選手。

MF 馬場賢治 6.5 ハライチのネタと、相方に松本を選択した戦術眼は確か。平塚の観客の志向は読めていた。

MF 猪狩佑貴6.5 大人の事情によりスタメン落ちも、終了間際の挨拶でわずかな時間ながらも持ち味を発揮。ネタ自体は何一つ面白くなかったが、あした順子・ひろし師匠が出ない寄席が寂しいように、猪狩のいないワンダーランドは寂しい。いつまでもその円熟のスベリ芸を披露し続けてほしい。

MF 宮崎泰右 6.0 福田の呪縛から逃れたロスタイムにチャンス到来。質素な胸毛という強力な武器を隠し持っていたにもかかわらず、一瞬の躊躇から中途半端な体勢でのシュートとなってしまい、決定機逸。照れは禁物。

FW 大槻周平 7.0 天才・高山の相方という難しい役を見事こなした。

FW 高山薫 8.5 MOM 別格のクオリティ。大槻と組んだユニットで、芸人、そして作家としての圧倒的な質の違いを見せつけるも、観客には不発。試合後、パフォーマンスについて問われ「一発芸はシュールが肝。クスクス笑いしか起きなかったが、俺は面白かったと思う」と、自らのレベルに観客が着いてこられなかったことに苛立ちを隠さず、まさにジャックナイフ。だが、平塚のジジババなど気にしなくていい。次世代の保守本流は前衛から生まれる。そう信じる若者こそが、時代を変えていくのだから。
# by y-sakan | 2012-02-18 22:27 | 湘南ベルマーレ | Comments(1)
熱のない町で、途方に暮れる~反町康治監督退任、アジエル退団に寄せて
いつか来る日とわかってはいた。来ても仕方ないとも思ってはいた。だが、実際にその事実を目の前に突きつけられた今、僕の胸を支配するこのいかんともしがたいやるせなさはどうだろう、とても消化できそうにない。その事実とは――僕が想像以上に打ちのめされている理由とは、言うまでもなくソリさん退任、アジエル退団だ。

苦節10年、悲願のJ1昇格、そしてたった1年でのJ2降格を経験してわかったことがある。
いきなり攻撃的な意見で申し訳ないのだが、それは、平塚には“熱”がない、ということだ。いや、何年も応援していらっしゃるファン・サポーターから批判や反論が出るのも当然だと思うし、それらを真摯に受け止めたいと思うが、悲しいかなこれは現実だ。少なくとも、その現実を認めまいとしてきた僕が結局辿り着いてしまった結論だ。
このことを証明するのは簡単だ。なんだかまたスカスカしてきた今の平塚競技場のスタンドと、初のJ1での躍進を経て降格したばかりの09年のヴァンフォーレ甲府のスタンドを比べるだけでいい。一度昇格すれば爆発的に観客が増えるという期待が、他の地域では確かに起こった現象が、平塚では起こらなかったという事実が歴然とそこにある、ということがわかるはずだ。
なぜ平塚競技場の観客者数が、高いレベルで安定することはないのだろう。昇格という最高のカンフル剤が打たれた後でも事態は好転しなかった。正確には、期待したほど劇的には好転しなかった。
結局、平塚には“熱”がないのだ。同県に4クラブがひしめく激戦区だからだとか資金面の問題さえ解決すればとか、もっともらしい言い訳ができる数々の要因とはまったく関係なく、まさしく絶望的な要因として、そもそも風土的に、気質的に、平塚はサッカー文化が根付くポテンシャルが低い地域なのだ。

なぜなのかは僕にはよくわからないし、分析する気もない(だってさまざまな分析はなされてはいるけれど、浦和や新潟や仙台が多くの熱狂的な支持を得た理由の、本当のところは誰にもわからないのだから)。だけど、浦和や新潟や仙台のような地域と平塚は、根本的に、風土的に気質的に何かが違うということは確かだろう。認めたくないことではあるが、僕はこの3年で、そう悟らざるを得なかった。

だけど、もちろん熱は“低い”だけであり、まったくないわけではない。この平塚でも確かに“沸騰”した瞬間はあった。それが09年。昇格を目指し、選手、監督、スタッフ、そしてファン・サポーターが一丸となって昇格を目指したあの素晴らしい年。Jリーグ創成期の熱に浮かされた時代を除けば、最も平塚の熱が高まった時期と恐らく誰もが認める、記憶に新しい年だ。
そんな、毎日がぐらぐらと沸き立つような1年の中でも、僕は特に09年11月21日、小瀬スポーツ公園陸上競技場での出来事を、象徴的に思い出す。説明不要の甲府戦。正真正銘、昇格への天王山。あの青と赤に彩られた小瀬のアウェイ席で団結し、坂本のミラクルゴールによって引き起こされたベルマーレファン・サポーターの沸騰は、僕が感じたベルマーレ最大の熱気だった。
これについては僕は断言してもいい。あの日こそが、湘南ベルマーレの沸点だ。湘南側の応援席から、初めて感じたとてつもなく大きな声の塊。いつも7ゲートの片隅で大人しく見ていた僕のような人間でも、気づいたら枯れるほどの声を発していたし、そしてそれは同じようなすべてのファンの声をひっくるめて、あの美しい夜のピッチへ向って音の壁となってすっ飛んで行っていた。そんなことを実感できたのは、いくら記憶を辿って行っても、あの瞬間以外他にない(あの瞬間がすごすぎて、その後の数試合、昇格を決めた水戸戦ですら、なんだかフワフワしている、と感じたのは僕だけではないのではないだろうか)。

あの場にいて勝利の喜びを分かち合った人たちのことを、僕は忘れることはないだろう。当たり前だが、そのときピッチに立っていた選手たちは、たぶん僕の棺の中まで一緒にいる。
そんな特別な人たちの中でも最重要人物の2人、ソリさんとアジエル。長年の悲願を叶えた演出家と、幾多のイリュージョンを生み出した立役者を一度に失ってしまうとは。悲しみ、落胆、憤り、悔しさ、むなしさ……あらゆるネガティブな感情が僕を襲ってきてとても冷静にはなれないし、クラブに対して言いたいことも次から次へと湧きあがってくる。だけど、ソリさん退任とアジエル退団という大きすぎる出来事を前に、それらを長々と表現する気力もまるで出ず……(ただひとつだけ。強化部長の責任は問うべきだ。噂されている、次期監督人事はただアシスタントコーチを昇格させるだけ、というのが本当であるならば。J1昇格時の補強失敗を含め、あなたは仕事をしていない、と言わざるを得ない)。

だけどクラブに対して、これだけは言っておこうか。
「金がない」は聞き飽きた。二言目の「金がないから仕方ない」にももううんざりだ。湘南のファン・サポーターは、そんなことよく知ってるし、だからずっと許してきたじゃない。でもその理解に甘え続けるのはどうなんだろう。お客さんからの同情なんて、プロとしては屈辱だと思うけど。

ソリさん、本当にありがとう。金がない、熱もない、おまけに最後は、仕方がない。こんなしょうもないクラブで、3年間も真にプロフェッショナルな仕事をしてくれて。僕たちのクラブはソリさんを引きとめる要素を何一つ持っていない。ソリさん、僕らのために行ってくれ。あなたのような繊細な知性は、日本サッカーの発展という大義のためにこそ、使われなければならないのだ。
湘南のファーガソンになってほしい、とか、夢みたいなことを言っていた自分が恥ずかしい。どの口が言っていたんだろう。こんな何もない町で、それを求める説得力を何一つ持ち合わせないクラブで、僕は何を夢見ていたんだろう。

それからアジエル。こんなしょうもないクラブを愛してくれてありがとう。いつもいつも笑顔でいてくれてありがとう。そして驚愕のプレー、3人くらいに囲まれたと思ったら次の瞬間スルッと抜けだす謎のドリブルとか、相手のパニックを引き起こすスペースに奇妙なタイミングでちょこんと出すパスとか、僕はその喜びを週の真ん中くらいまで引きずってニヤニヤしていたんだよ。僕のつまらない日常に、愉快で爽やかな風を送ってくれて本当にありがとう。
それと前にも言ったけど、もう一度。アジエルにとって、平塚はホームだし、僕たちも家族だ。心底しょうもないベルマーレに、もしひとつだけ誇れるところがあるとすれば、それは家族感覚、家族を思う気持ちの強さだ。だから、いつでも帰って来て「ただいま」の声を聞かせてくれ。そしたら心からの、フルボリュームの「おかえり」で応えるから。離れていても、家族は家族。それは一生変わらないのだから。


ああ……。

栄光の記憶は僕から遠ざかっていく一方だ。これからもどんどん遠くなってしまうし、いつかは消えてしまう。そんな気がする。平塚の熱はますます冷め、いつかは凍ってしまう。ソリさんが、アジエルが、確かに熱かった選手たちが作りだした甲府戦での沸騰は、ついに昔話に変わってしまう。
あの日々は、今と分断された昔。僕は今、ただただ途方に暮れている。
# by y-sakan | 2011-11-27 17:47 | 選手考 | Comments(0)
ワンダーランド2011採点寸評
GK 阿部伸行 7.5 ネタ「DJノブリン」。松本拓也とのハイレベルなポジション争いを制し、正守護神の座を射止めた要因は、阿部伸子ネタでの果敢な飛び出しではなく、DJノブリンネタでの安定感。経験に裏打ちされた自信と緻密なディテール。今大会屈指のネタの完成度で、レギュラー当確と思われていた松本を退けた。松本は「ミニーちゃん」という中途半端なキャラ設定が大きく響いた。自らの本領は「汚れ」だという原点に立ち返るべき。厳しいようだが、無論これはこのままで終わる男ではないからこその苦言。

DF 福田健人 8.0 ネタ「年上の女の子」。レジェンド原田開と組んで初登場となった2年前、「何となく空気読めなさそう」と片鱗をちらつかせていた才能が一気に開花。衝撃的な弾丸シュートがゴールネットに突き刺さったのは、ネタ後のロスタイム。坂本のグッとくるスピーチで誰もが「きれいにシマッた」と思った次の瞬間、まさかの「僕にも一言だけ言わせて」発言。そしてその挙句の、ごくごく普通、面白味もなんにもない挨拶。空気読めないにも程がある。昨季のFC刈谷での修行、社会人経験とはいったい何だったのか。成長の跡ゼロ。しかし、それこそが長きに渡って不在、求め続けたポスト原田開の座を埋める稀有な才能の証。その覚醒の瞬間に立ち会えた観客は、自らの幸運に感謝すべき。

DF 遠藤航 6.5 ネタ「平塚ディズニーランド」。若手らしいハツラツとしたプレーで観客を沸かせた。

DF 石神直哉 6.5 ネタ「アイドルグループオーディション」。噂に違わぬ口の運動量で何度も好機を演出。マイクパフォーマンスも円熟の域。ただ、巻とポジションがかぶる瞬間が多々あったのが残念。ともに湘南には少ないツッコミをこなせるタイプだからこそ、チームとしての生かし方を再考すべき。

DFソン・ハンキ 7.5 不出場ながら、そして一言も発していないにもかかわらず、その強靭なフィジカル(顔)で異様な存在感。その恵まれたフィジカル(顔)をチームはなぜ生かしてやれなかったのか、甚だ疑問。楽しんご似のフィジカル(顔)を生かし、「ラブ注入」。それ以外、どこに正解があったのか。あまりにももったいない采配ミスに、悔しさ募るのみ。

MF 菊池大介 7.0 ネタ「年上の女の子」。2年前の、原田開、福田健人との伝説のパフォーマンスの際、スカートを履いて赤くなっていたシャイな青年の姿はそこにはなく、今回は心から女装プレーを楽しむ。確かな成長が窺える。

MF 猪狩佑貴 7.5 ネタ「平塚ディズニーランド」。ワンダーランドの新人顔見せが現在のようなレギュレーションに変更されてから唯一全試合出場を続ける鉄人に、まずは敬意を表したい。この特別な大会の意味を誰よりもわかっている選手であり、そのストイックなまでの情熱には脱帽するほかない。若手には「迷ったら、彼の背中を見ろ」と言いたい。その偉大な背中には「バカです」と書かれた紙が貼られているはずだ。

MF 永木亮太 6.5 ネタ「平塚ディズニーランド」。ミスなくソツなく無難にプレー。それはそれで素晴らしいが、もう少しエゴイスティックになってもいい。

MF 坂本紘司 8.0 ネタ「年上の女の子」。スタジアム全体がどよめいた、まさかのスタメン入り。しかもパブリックイメージを根底から覆す女装姿で女子連に悲鳴を上げさせるなど、らしからぬパワープレーで試合を決定付けた。これまでクラブ史に残る数々の偉業を成し遂げてきたミスターベルマーレは唯一縁のなかった「ワンダーランドでの語り草」という勲章も手にし、もはやベルマーレそのものになった、と言える。

FW 巻佑樹 6.5 ネタ「アイドルグループオーディション」。「名古屋のお調子者」の面目躍如。厳しいボケ、ツッコミを軽々といなす、これまでにいない技巧派タイプ。スペシャリストの多いチームの中でそのユーティリティ性は貴重だが、時折、石神とかぶるポジショニングは再考の余地あり。

FW 高山薫 8.5 MOM ネタ「桑田佳祐&ゆってぃの物真似」。まずは、この大舞台で果敢に1対1を挑んできた強いメンタリティを高く評価。そして、ネタの多彩さ、完成度、テクニックでも他を圧倒。文句なしの僕的マン・オブザ・マッチ受賞となった。試合序盤はシュールな桑田佳祐で相手を幻惑、後半はパワープレー気味のゆってぃで着実に得点を重ね、ロスタイムの挨拶では「今季の目標は皆さんを僕と同じ髪型にすること」宣言で駄目押しゴール。緩急自在の巧みな試合運びで終始ゲームを支配。最後まで走り切れる無尽蔵のスタミナを備え、さらにステージ上で足をつるなどコンディションも抜群と、何をとっても一級品だったが、何より圧巻だったのはこの大会に照準を合わせ、前歯を折ってきたこと。天才肌の彼のような選手でも、ここまでしなければNo.1になれない。ワンダーランドは新たなステージに入った。
# by y-sakan | 2011-02-20 11:21 | 湘南ベルマーレ | Comments(2)
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